上向きも悲しい
精神的にも少しずつ上向いてきた。
月曜日の夜にペットちゃんを亡くしてから、三日目の夜だ。
次の日は一日泣いていた。
仕事中はもちろん泣けないが、仕事にならないほどだった。
その日の夜は帰ってきて家でずっと泣いていた。
こんな悲しいことはないと。
それが、時間が経つにつれて、悲しみは少しずつ薄れてきた。
食欲も少し出てきて、心身ともに上向いていると感じる。
でも、ペットちゃんのことを忘れたわけではない。
それでも、考えることが減ってきた。
これがとても複雑でまた考えてしまう。
人間の機能として、「忘れる」「慣れる」というものはとても有効だな、とずっと思っていた。
あの子のことを忘れているわけではない。
が、考える時間が減ってきている。
あの子がいないことに慣れなければいけない。
まだ慣れないが、時間が経てば、悲しいかな慣れてくるのだろう。
この「忘れる」「慣れる」という習性がなければ、何事も前に進まないだろう。
一つのことにずっととらわれる人生になってしまう。
完全に忘れるわけではない。
今までの生活が今までと同様にできるように、一歩前に進むということだ。
あの子はずっと心の中にいる。
その上で、前に進むということだ。
でも、悲しい。
痛みを忘れていくのも何だか悲しくてさみしいものだ。
複雑な心境のまま、過ごしている。
おやすみなさい。