嫌味の一つでも
私は夫のことを「主人」とは絶対に言わない。
「だんな」とも言いたくない。
なぜなら、「主人」というと私が下僕のような気がしてしまうからだ。
「だんな」というのも私が下のように感じてしまう。
対等でいたいために「夫」と呼ぶことにしているのだ。
何なら「配偶者」でもよいとさえ思っている。
そんな夫に今日も昨日もイライラしてしまった。
誰にも言えないのでここに記すことにする。
金曜日、この年末で退職する夫は送別会だった。
三回目の送別会で、飲み会が嫌いな夫はさぞかし苦痛だったに違いない。
しかし、全部で四回も送別会が開かれるなど、変な職場だ。
金曜日の夜も花束をもらってきた。
前回の飲み会の時ももらってきて、花瓶がない我が家はどうすることもできず、次の日にホームセンターで調達してきた。
そして、お花を飾り、毎日水を変えた。
私が。
そして、金曜日に花束をもらってきた夫は「もう一つ花瓶を買わないといけないね」などと他人事のように言った。
前回いただいたお花は、全部ではないがまだ元気に咲いている。
花瓶を買ってくるにしたって私がまたホームセンターで調達してくるのだ。
ただじゃないし、普段花を飾らない我が家にとって、花瓶は二つもいらない。
その旨伝えると「じゃあ、悪くなっているのを間引いて、入れようか」とさも自分が後でやるかのように言ったのだ。
私はそれを受けて、しばらく放置することにした。
いつやるのだろう、いつやるのだろう、と見守っていたが、全然やる気配がない。
昨日は前回の飲み会の翌日と同じく「本当に疲れた」のオンパレードでほとんど家から出なかった。
今日になっても花束のまま。
全くやる気配がない。
そのまま夫は釣りに出かけてしまった。
花のことなど目もくれず、鳥の世話も全くせず、自分のことだけ考えて行動しているようにしか見えなかった。
ということで、「私が」前回の花がまだいくつか残っていたが、そこに追加することにした。
古くなってきている花からは花弁がハラハラと落ちた。
こんなことも夫は全く知らない。
自分がもらってきたのだから、興味がないとはいえ、もう少し関心を持ってもいいのではないか。
どれだけ職場がブラックだとしても、花に罪はない。
花を生け変えていて、何だかとても悲しくなってきた。
と同時に怒りも込み上げてきた。
夫は辞めたらずっとこの調子なのではないか。
そんな不安が心をよぎるのだ。
夫が担当の風呂の念入り掃除だって、一年に一度やったらいい方だ。
確かにスーパーには毎週連れて行ってくれるが、それくらいだ。
あと、ゴミ出し、洗濯物干し。
自分の弁当箱は洗ってくれるようになったが、洗い物の時常に水を出しっぱなしなのがどうしても気になる。
なので、洗い物は頼めない。
餃子など焼き物や炒め物は私が作るより美味しいと信じているからか、やってくれるが洗い物は一切やらない。
それどころか、ガスレンジやフライパンは油だらけになる。
多分、この辺りはどの奥さんたちも少なからず多からず気にしているところだろう。
だけど、安定した収入があればまだ許せる。
それがうちは来月からはもうないのだ。
私は自分のものを買うことを極端に減らした。
どうしても必要なものは質と値段を落とし、経費削減に努めている。
こんな努力をしているというのに、夫と来たらなんだ。
嫌味の一つでも言ってやりたいくらいだ。
前澤友作氏が1020億円を通帳に入れているというその額面を見て、「そうだよ、会社を売ったらこれくらいになるんだよ!」と何だかよくわからない感想を漏らしていたが、ここまで行かなくていいから、さっさと稼げる状態に持って行ってもらいたいものだ。
これから国保に国民年金に住民税、どれだけ出費がかさむというのだ。
しかも家で仕事をするので、光熱費もバカにならないだろう。
しばらくは儲けなくていいから、頼むから自分の保険料くらい自分で稼いで払ってもらいたい。
プラスでなくていいから、マイナス状態はやめてくれ、と思っているのだ。
だが、一年間はマイナスを覚悟するようにと言われている。
それも仕方ない、ということはわかっているが、貴重な、しかも少ない貯金を切り崩していくことは我が家には相当な痛手だ。
貯金の金額は伝えてあるが、近いうちにどうにかする、どうにかなる、と思っているようで、楽観的過ぎておめでたすぎるのだ。
私には正直ほとんど期待できない。
家のことだってやるとは言っているが、ほとんどやらないだろう。
今日、噂の東京マガジンで焼きビーフンをやって!TRYしていたが、「俺も辞めたら焼きビーフン作ろうかな」などと言っていた。
まあ、絶対にやらないだろう。
風呂の念入り掃除をやる、と自分で言っておきながらほとんどやらないから、そういう実績があるから私は信じられないのだ。
これがどうにか覆って、台風被害に遭わないような家に引っ越しできるといいのだが。
夢のまた夢だろうな。
嫌味は言いたいが、言うと何倍にもなって帰ってくるので言わない。
書いていたらまたイライラしてきた。
寝ます、おやすみなさい。