みやびの想い(仮)

思ったことを素直に。

お見送り

朝、自転車で出勤している時に小学校の横を通るのだが、いつもはいない旗振りの人が今日はいた。

あれ、早いな。

私がもしかして寝坊して遅刻するような時間なのか?と一瞬思ったが、そんなことはない。

もしそうだとしたらNHKも時刻を読み違えていたことになる。

旗振りの人は先にも四人ほどいた。

どうしたんだ、何かあったのか?

と思っていたらその方々に「バスが来ます」と言われた。

右を見ると大きな大きな観光バスが向かってきているのが見えた。

狭い道幅いっぱいに曲がってくるのがわかったので自転車の私は歩道に乗り上げることにした。

いるところがないのだから仕方がない。

2台のバスが行き過ぎるのを待った。

早く通勤したいのにとんだ足止めだ。

バスが来た方を見ると小学校の門のところに保護者の方々がたくさんいた。

ああ、これはきっと修学旅行に向かうバスだったのだ。

 

私も小学生だった時は朝早い集合時刻に親に連れられて小学校のグラウンドに並んだ。

周りには親がたくさんいた。

車で送ってくる親が多かったためだ。

子供が多いときだったので6台のバスで出発した。

出る時、やはり親たちは今生の別れのような手の振り方をしていた。

たかが一泊して帰ってくるのに、子供だけが他県に行くとなると(もちろん引率はいるが)当時は珍しかったのかもしれない。

別にすぐ帰ってくるのに、などと子供の頃は冷ややかに手を振る親たちを見ていたのを思い出した。

 

だが、当たり前のように無事に帰ってこられたのは奇跡だったのかもしれない。

今ここまで生きられているのは奇跡の連続なのだな、といい年になってからは思う。

 

今ごろあの子供たちは家のではない布団で寝ているのだろうか。

それともコロナが故に実は日帰りの遠足と化して夕方帰ってきたのだろうか。

私の小六の甥っ子は日帰りになってしまったらしいが、今朝の感じを見ると近所の子達はおそらく泊まりで行けたのだろう。

とにかく無事に帰ってきますように。

全くの他人だが、切にそう願う。

 

私も寝よう、おやすみなさい。